広島1ーわたしが美術の道を決めた日を思い出した「山口啓介 後ろむきに前に歩く」とウニクレソンとのはじめての出会い

広島1ーわたしが美術の道を決めた日を思い出した「山口啓介 後ろむきに前に歩く」とウニクレソンとのはじめての出会い

2019年6月8日 広島はとってもいいお天気。ちょっと東京より肌寒かったかなあ

いつもよりゆっくりと家を出る。
teshと2人、リュックを背負い、手を繋いで。

今日は広島に行くの。
目的は・・・

山口啓介 後ろむきに前に歩く
https://www.hiroshima-moca.jp/keisuke_yamaguchi/

松江泰治さんの個展以来の広島。
こんなに間なく、広島を訪れることになろうとは思ってもいなかった。

北千住からは羽田へも成田へもリムジンバスが出ているから便利。
バスに乗る前に、近所の果物屋さんでバナナを買った。
そう、バナナパフォーマンスのために。
エクアドル産のバナナ。

羽田に着くや否や、バナナパフォーマンスをはじめる。
teshもだんだん乗ってきてくれているのか???
ポーズなどを指示してくるようになってきたし、写真を撮るのがうまくなってるw
ふふふ。

ひと通りバナナパフォーマンスを楽しんだ後、ビーガンのお店でサンドイッチを買い、
サクッと保安検査場を通過し、恒例のラウンジへ。
これまた恒例のビール飲み飲み、出発まで仕事。贅沢な時間です。

さて、広島に着くといいお天気!
東京は雨模様だったので、嬉しいなあ。
そこからバスに乗り込み広島駅へ。時間短縮のためタクシーに乗り込みますっ。
車中、運転手さんと話に花が咲きました。teshが広大だったから、かつても広島トークで盛り上がれるのよねえ。わたしはついていけましぇんw

美術館に着く!
きたーーーーーーーーーーーー。
山口さんのお名前が大きく垂れ幕に掲げられている。

この時点で感動。

遡ること2009年。わたし22歳。
新潟市ではじめての芸術祭「水と土の芸術祭」が開催されたの。

その時の様子がこれ
https://www.facebook.com/shokoootake/media_set?set=a.1032265066088&type=3

わたしもいろいろなアーティストさんの作品政策のお手伝いをしたわっ。
頑張っていたら、ローカル番組に、新潟で頑張る若者的な番組で特集してもらったりもしたわ。

まあ、芸術祭に関わりたい!という想いがあったからこそ、ボランティアで作品制作、作品解説、
作品のメンテナンス、イベントの手伝いなどをしていたわけだけど、ここで、わたしがこれからも美術とともに人生を歩みたいなあと思ったきっかけが生まれたのです。

そのきっかけこそが山口啓介さんとの出会い。
山口さんは水と土の芸術祭で「アノマリー 新潟絵地図」を滞在制作してくださったの。

画像をはっけーん
http://www.naviu.net/mizutotutinogeijyutusai/72%20anomari-/72%20anomari-.html

わたしは、この絵地図の制作と「カセットプラント」の制作をお手伝いさせていただいたのよ。
正直!!制作をサポートしてくれる人募集!という記事を見るまで、山口さんのお名前を知らなかった。カセットプラントは大地の芸術祭で見たことあるな〜、綺麗だったよな〜というおぼろげな記憶で・・・。だけど、ビビッときてしまったのですよ。よし!わたし、この作家さんのお手伝いしたいと思って、応募した次第。弟と一緒に参戦!

それから、美術館や、閉校中の小学校とか、色々場所を変えながら作品制作を手伝った。
1つの作品が生まれゆく過程に関わることができる幸せ。
本当に楽しかった。けど、緊張もしたよ。別に、わたしは芸大にいるわけでもなく、技術があるわけでもない。哲学科専攻の地味な女の子。そんなわたしが、作品に手を入れるって、ドキドキよ!!制作なかはものすごい集中力を発揮した。楽しくて無我夢中だったというのが正しいかしら。

回を重ねるごとに、作家さんとの距離も縮まっていく。
だんだん家族ぐるみで仲良くなってきて、わたしの母親が差し入れなんかくれたりとか。

それからいろんなお話をするようになったんだけど、山口さんは、わたしが哲学科にいることに興味を示してくださったの。哲学勉強してま〜すとか言っても、大抵はぽか〜んとされるか、難しそ〜とか、将来何になりたいのとか聞かれルことがほとんどだったのだけど・・・。学芸員資格を取ろうと思っていたけど、全部単位を取って、あとは館務実習を残すのみ!というところで、担当教員に哲学科とか即戦力にならんから・・・美術館も欲しがらないよ的なことを言い放たれ・・・結局、館務実習に行かずに、資格は取らなかったの。というエピソードもあったりするものだから、哲学に食いついていただけたのは本当に嬉しかったなあ。まさか、自分がお手伝いしているアーティストさんとドゥルーズの話ができるなんて思ってもなかったもんっ。

わたしが哲学の道を歩もうと思ったのも、美術が好きだっから。
いつか美術を仕事にしたいと思っていたから。

わたしは、技術を磨くのではなく、美術を理解できる人になりたかった。
作家自身のこと、作品のこと、その深淵に迫れるようになりたくて、哲学を選んだの。

そんな思いを山口さんにお話したら、「僕たちアーティストがこうやって作品を制作したり、展示したりすることができるのは、あなたたちみたいに、サポートしてくれる人、支えてくれる人がいるからだよ。アーティスト1人じゃ何もできない」という言葉をかけてくださった。

そこで、ハッと気づいたし、嬉しかった。
そうだ、わたしは支える人になりたいんだ。
支える人になって、さらにアートの魅力を発信できる人になろう!とその時に強く感じた。

そんなこんなで今のわたしがある次第。
山口さんの言葉は今でも、心にしまってあって、日とした時に取り出すようにしている。
山口さんのと出会いは本当に大きいのです。

そして、広島。
わたしの人生の歩み方の道標になった言葉をかけてくれた人の個展。
ね、そりゃーーーもーーー感動でしょ;;

そして・・・久しぶりの再会!!!!
嬉しすぎたさ。
お元気そうで何よりだったし、新作のアウラには圧倒され、3.11以降のノートの前では立ちすくんでしまった。このノートに、わたしは南方熊楠を感じるの。山口さんと南方熊楠はきっとどこかで繋がる・・・とおもってる。

閉館時間になり、警備員さんに追い出されw
山口さんたちとしばし談笑。
曼荼羅の話で盛り上がる。

それから別れを告げて、わたしとteshは広島名物と噂の、ウニクレソンを求めて、広島の夜の街に溶け込んでいった。

ウニクレソンには出会えなかってけど、ウニホーレンをいただいたよ。
ちょっとしょっぱかったけど、幸せな1日を締めくくるには良いスパイスでした。

《展覧会情報》
山口啓介 後ろむきに前に歩く
2019年6月8日(土)~9月4日(水)
広島市現代美術館
https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/keisuke_yamaguchi/