たまにきゅんと。

たまにきゅんと。

2011年12月29日(木)

AM3:00頃

目が覚めた。

急に「あれ、携帯どこやったっけ」と思ったのだ。

いつものように、携帯をいじりながら寝てしまったらしく

枕の脇にそれは転がっていた。

携帯をベッドのサイドテーブルに移した瞬間

電話が鳴った。

ベルは何回鳴っただろうか。

すぐにでなくてはいけないと分かっていながら

なかなか通話ボタンを押せなかった。

少し深呼吸をして、携帯を耳元に持っていった。

父親の声。

「たった今亡くなった」

そう父は告げた。

享年60歳

私の大切な人が天国へ旅立った。

 

 

11月に入ってからだ。

ずっと入退院を繰り返していた私の大切な人がICUに入ったとの知らせを受けたのは。

元気づけてあげようと、ささやかながらカステラを送ってあげた。

そしたらお礼のメールをくれたんだ。

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翔子ちゃん、今日、るっちーから大好きな福砂屋のカステラいただきました。

本当にありがとうございます

また先日のイベントお役にたたずすみませんでした。

お仕事頑張ってますねー

中村さんにも宜しくお願いします。ありがとうございました。

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これが、最後のメールになった。

宝物のメールになった。

 

ほんの一ヶ月前までは、カステラも食べることができていたんだよ。

 

桜が咲くまでかも

 

 

 

年内いっぱいもつかもだって

 

と母親に言われて、年末早めに帰郷した。

帰郷した日に、お見舞いにいったんだ。

 

びっくりした。

普段、大きな声で笑って、ばりばり働いている彼女から想像もできなかった。

やせ細って、、、しゃべることもままならなかった。

 

 

泣きそうになった。

必死で泣くのをこらえていたら

 

「しょうこちゃん」

って私の名前を呼んで笑ってくれた。

それが最後だった。

 

 

私にとってあこがれの人。

信じられなかった。

あんなに強い人だったのに。

人って死ぬんだ。

終わるがくるんだって実感した。

 

 

お通夜も

お葬式もおわった。

人が焼かれるのをはじめてみた。

人の骨をはじめて拾った。

 

まさか、そのはじめてが彼女になると思ってなかった。

 

 

たまにね

たまに

走馬灯のようにかけめぐるの。

私の頭に中を。

彼女が。

 

そして、

あぁもういないのかって

寂しくなるんだ。

 

どうしようもなく

きゅんとなるんだ。

 

今はたくさんのことを知りたいし

たくさんの人と出会いたい気持ちでいっぱいだ。

 

だけど、その分、悲しみも増えていくのだなと思う。

 

 

きゅんとなるこの気持ちは一生消えないのだと思う。

一生増え続けていくのだと思う。

 

 

このきゅんという感覚が故人とのつながりであるならば

大切にしたい。

 

 

 

人はいつか死ぬんだけど

今を生きているということの方が

真実であって大切なんだ。

 

 

たまに

きゅんとなる。

今でも。

 

 

 

大好きだった分、きゅんとなる。