長崎6ーメダイのマリアさまと冷たいココア

長崎6ーメダイのマリアさまと冷たいココア

ほどなくして大野教会に到着。
ここは、教会内の見学はできなくて、外観のみ拝見することができる。

遠目からは教会?!ってなりますよね。
民家のようです。

この教会もド・ロ神父と、大野集落26戸の信徒の方々が力を合わせて創設したの。
今から130年以上前のお話。

わたしが惚れ惚れと教会を眺めていると、教会守の方がいろいろと教えてくださいました。

この教会には柱が一本もなくて、45センチの厚さの壁と梁で建っているいるんだって。
確かに壁が分厚い!!!

そして何と言っても印象的なのが壁。
これは外海の岩を砕いて、積みあげていったんだって!!!
なんてキレイなの。
当時はセメントなんてなかったから、粉砕した岩を接着させるのに漆喰を使っているそうな。

ド・ロ神父が外海にくるまで、ここの住民たちは石垣などを作る際に、アマカワと呼ばれる赤土にわらを混ぜたものを使っていたんだけど、雨に弱くて、雨に降られると流れ出してしまって、壊れやすかったんだって。そこで、ド・ロ神父は、アマカワを使わず、赤土を水に溶かしたて、そこに石灰と砂をこね合わせたものを接着剤に使用するという新しい方法を生み出したの。
この新しい技術が、大野教会の外壁にも使われているの。
ド・ロ壁と称されて、愛されている。

130年以上もこの雨風の強いこの地域で今もキレイに対家いることを考えると、素晴らしい技術が詰め込まれていることがわかる。ド・ロ神父が布教だけではなく、外海の人の暮らしにどれだけ寄り添い、住民たちをどれだけ想ってくれていたのか伝わってきます。

当時は26戸いた信徒も今では8戸ほどに減少。
この教会では年に1回しかミサが行われない。

しかし、世界文化遺産登録されたこともあり、ますます気を使って教会を守らなくてはいけないんだ。と教会守さん。人も少ないし、高齢化が進んでいるし、お金が潤沢にあるわけではない、教会も守ることも大変なんだよと、現在の状況も話してくださった。

「お姉さん、どちらから?」
「東京です」
「それはそれは、遠くからありがとう。若い方にわざわざいらしていただいて、こんなに熱心に話を聞いていただけて嬉しいです」と教会守さん。

ふむ。
教会の美しさに感動しながらも、少しの献金と話を聞くだけで何もできない自分に不甲斐なさを覚えながらも・・・あぁここにきて良かったようと心底感じた。

最後に壁にそっと手を当ててみる。
すーーーって、全身に何かが駆け巡ったようだった。

タクシーに戻ると、運転手さんが
「ずいぶん長い時間を過ごされましたねえ。こんなに小さな教会なのに。
本当に興味があるのですね。まだ時間があるので、せっかくだから僕がもっといろいろ案内してあげましょう」
と提案してくださった。

わたしはここの土地の距離感がわからなかったから、出津教会と大野教会でいっぱいいっぱいなんじゃないかと思ってたけど、ほかにも見て回れるとなると、そりゃあ、もう嬉しい。

「はい!ぜひ!時間が許す限りよろしくおねがいします!」

ド・ロ神父も眠る野道共同墓地。
それから、枯松神社。ここは、いわゆるキリシタン神社。伝説の伝道士バスチャンの師であるサン・ジワンの隠れ家だったという場所で、明治以降、ジワンを祀るためにこの神社ができたんだって。
神社の横には、十字のお墓が一つ立っていた。カタカナで洗礼名が彫られている。

枯松神社に続く道中に大きな岩が2つあるの。ここは、潜伏時代、キリシタンが年に一度、復活祭前の「悲しみの節」の夜にオラショを唱えた場所で、「祈りの岩」と呼ばれているんだって。悲しみの節、ちょうど今頃の時期だなあと、さっき出津教会で教えてもらったことを思い出す。オラショが今にも聞こえてきそうだ。

とっても静かで厳かな場所。神聖とはこのことか。

最後に、黒崎教会に連れて行ってくださった。
到着まで、長崎のこと、外海のこと、五島のこと、運転手さんのこと、オススメの飲み屋wなどなどたくさん話した。
黒崎教会に到着する前に、帰りのバス停とバスの時刻を確認しましょうと、わざわざバス停にまで寄ってくれた。
なんて親切な人なのーーー。

それから黒崎教会に到着。ここを5分くらい前に出たら帰りのバスに間に合うでしょう。本数が少ないからくれぐれもお気をつけて!
ここで運転手さんとはお別れだ。あーーーーとっても楽しかったし、勉強になりました!
良い長崎の旅を。また遊びにきてくださいね^^今夜は長崎の魚を食べるように。アジがオススメ。
うぅ、、、あったかい;;運転手さんありがとう;;(東京に戻ってから、ソッコーでお礼のメールを送った)

黒崎教会も、ド・ロ神父のもと、建設計画が進行し、1920年に完成した教会です。
ここ黒崎は、遠藤周作の小説『沈黙』の舞台ともなった場所で、近くには遠藤周作記念館もありますよ。
台風を避けるために、低い作りになっているそうで。
ステンドグラスがとっても美しかった。海に向かって佇むマリアさま。ふう美しい。

ここで献金をしたら、メダイをいただいた。
メダイとは。

不思議のメダイは、聖母マリアの出現を目撃したフランスのカトリック修道女カトリーヌ・ラブレが、聖母マリアによって示されたお告げとイメージをもとにデザインし、金細工師のアドリアン・ヴァシェットが製作したメダル(médaille=メダイユ)のこと。無原罪の御宿りのメダイ、奇跡のメダイとも呼ばれる。

バスに乗り遅れないように、少し早めにバス停まで降りる。
バスを待つ間、自販機で冷たいココアを買い、バス停に設置されていたベンチに座り、海をぼーっと眺めながらバスを待つ。

ほどなくして到着したバスには、学生服の男女が乗っていた。
また、外海の現在の生活の香りを感じる。

帰りのバスは、長崎市まで直行してくれるので楽チンだ。

ホテルに一度戻ろうと、バス停についてからホテルを目指して歩いていると、昭和の香り漂うパン屋さんを発見。わたしの大好物ではないか!明日の朝ごはんにしようと思って、お店に入る。エビカツサンドを買うと、パンの耳あげるよ!とビニール袋いっぱいのパンの耳をくれた。そのまま食べても美味しいし、生パン粉にしてもいいよ^^
わーーーい。嬉しい。

お魚がおいしそうな居酒屋さんを探して、カウンターへ。運転手さんにおススメしてもらったアジ、あとは平政のお刺身を注文。ハトシという長崎名物も。
隣に座っていたお兄さんとしばし話す。なんでもジョギングが趣味とのことで、初対面ながらに話が弾んだ。

今日も1日、長崎の人のあったかさのおかげでとても幸せだった。
湯船に浸かって寝るとしよう。

《今日お世話になったみなさま》
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
インフォメーションセンター

外海の教会をめぐるなら、ここに連絡を!
どう回ればいいかとかも親身に相談にのってくれます!
http://kyoukaigun.jp/

旧出津救助院
ボランティアのみなさんとシスターたちがあたたかく出迎えてくれます。
近くには、ド・ロ神父記念館もあるし、料理教室や農業体験もあるみたい。
カフェも近くにあるので、1日のんびりできますね^^
https://shitsu-kyujoin.com/

出津教会堂
http://oratio.jp/p_resource/shitsu-church

大野教会堂
http://oratio.jp/p_resource/oono-church

黒崎教会
https://www.nagasaki-tabinet.com/junrei/1096/

平和タクシー
わたしの思いつき外海ツアーに付き合っていただき感謝!
https://heiwagroup.co.jp/

サンドイッチ MAYUMI
パンがふあふあで美味しかったー。
サンドイッチの具の種類もたくさんで楽しかった!
パンの耳も謝謝。
https://nagasaki.mypl.net/mp/lunch_nagasaki/?sid=58487

魚店亜紗
長崎でお魚が食べたくなったら、ここは間違いないよーとのこと。
おさしみ美味しゅうございました。
https://heiwagroup.co.jp/