長崎2ーひとやすみ書店さんに出かける前の電気ケトルで沸かしたお湯は少しあつすぎた。

長崎2ーひとやすみ書店さんに出かける前の電気ケトルで沸かしたお湯は少しあつすぎた。

2019年4月16日(火)長崎は夕方になりつつ寒くなりつつ

この度お世話になったホテルは

エスペリアホテル 長崎

です。

長崎駅から10分もかからない。
し・か・も、お風呂とトイレが別!これ嬉しいよね。
宿泊費もお手頃です。
わたしはbooking.comをよく使うのだけど、今回も然り。

部屋は9階。良き眺めです。
8000歩しか歩いていないのに、足がパンパン。
とりあえずベッドに腰かけて、電気ケトルでお湯を沸かし、コーヒーを淹れる。
猫舌のわたしには少しあつすぎるお湯。まんまとベロを火傷した。

火傷なんていつものことよ。
スニーカーを脱ぎ捨てて、ぐんと背伸びをしてみる。
ベットに仰向けになってみる。
天井を眺めていると、身体がベッドに沈んでいく感覚になる。
すーっと大地に吸い込まれる心地だ。
シャバーサナ。
死のポーズ。

いけません。
このままでは、寝入ってしまう。
えいっと体を起こし、これからの計画を立ててみる。
行きたいところは山ほどある。
が、ノープランできたので笑

今日は、1番行きたいと思っていたところに行こう。
ホテルからも歩いていけそうだ。

ということで「めがね橋」近くにある「ひとやすみ書店」さんを目指すことにした。
その後は、、、そうだ!稲佐山に行って、長崎の夜景でも楽しもう。と全くの思いつきで計画を立てる。

ひとやすみ書店さんはtwtterで店前の黒板を毎日あげていらっしゃるのを常々拝見していて、
ああ、、、なんてステキな本屋さんなんだろう。いつか行ってみたいな、けど、長崎か、、、と片思いしていた本屋さん。店前の黒板には、毎日、今日の1冊からの1文の抜粋が書かれている。
日めくりカレンダーみたいな、黒板。

ホテルからめがね橋は15分とかからなのだけど、さすが坂の街。登って降りての繰り返し。
こりゃあ、足腰鍛えられるなあ。
ただ昇り降りしているだけではもったいないので、下腹に力を入れながら歩く。

見えてきた。
めがね橋だ。

のんびりした時間が流れていて美しかった。
そして、めがね!わたしが訪ねないわけにはいかない。
ようやく来れましたわ。他人とは思えないわ、あなた。

めがね橋を横目に、少し進むと見えてきました。
あの黒板です。
黒板を見つけた瞬間、道端でタンポポを見つけたようなほっこりと嬉しい気持ちになった。

この日の看板は、『漢字百話』(白川静、中央公論新社)からの引用でした。
「文字が成立したのは、まだ神話的な世界観が人々を支配していた時期のことである」

黒板の上にはこんなメッセージが書いてありました。
「階段の先にあるのはひとやすみ書店という名前の本屋です。
愛情を持って本を扱えない(本をきれいに触れない)方、以外の全ての老若男女の皆様を歓迎いたします。ー店主」

わたしもいっぱしの書店員です。
毎日朝、出勤をした時に、本と話すようにしています(気持ち悪いって言うなw)。
1冊1冊がとても愛おしくて。いい人に出会ってねと声をかけながら、
埃をはらい、わたしが、あなたはここよ、と思うべきところに戻してあげます。
そんな中で、傷ついてしまった本をみると悲しい気持ちになってしまいます。
ある程度は仕方がありません。本も形あるものですし。
あと、平積みした本の上に、荷物をおかれてしまうのも、あぁ・・・となってしまいます。
まだまだわたしの愛情が足りないから、こうなっちゃうのかもなと反省もします。
愛があるところにはきっとお客様も愛を持って接してくれるはず、そう信じて。

ドキドキしながら階段を登ります。
階段にも店主からのメッセージが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

階段を登りきるとビニールのカーテンが。
そこをくぐると、店主が笑顔でこんにちはと声をかけてくれました。
ちっちゃなお客様がいらして、店内は賑やか。良いですね^^
あなたみたいに小さな頃に、ステキな本屋さんが近くにあるって幸せよ。
知らないうちにあなたの心にステキな種が蒔かれていると思うわ。

店内は喫茶スペースと本のスペースがある。
決して広くない。
だけど、深い、そして広がる。
1歩踏み入れただけで、
ーー幸せ。
そう感じた。

1冊1冊がちゃんと存在していて、1冊1冊が店主の手がかかっているなあと。
店内各所には、本のオススメポイントなどなどが丁寧に書かれているの。店主の字がいいよね。
popというか店主からの手紙を読んでいるみたいで楽しかったし、それだけで文学的体験だった。

短い時間の間に、お客さんは絶えなかったように感じた。
店主とお客さんのあたたかい長崎の言葉が飛び交う。
いいなあ、人が集まる場所。

わたしがここで手にとった本たち。

全て、ここだからこそ出会えた本!!
ビビッときたもの、店主のメッセージに心打たれたものを選びました。
封筒は「手紙小説」。開封するのが楽しみ!

レジに持って行き、緊張の面持ちで店主に話しかけてみる。
ずっときたかったお店なのです!!
その一言をきっかけに、しばし本屋さんと本のことで立話を。
嬉しかったなあ。楽しかったなあ。

わたしが購入した『創作』(写真の赤い装丁の本)は本当にだれかの日記を書籍化したものなの。

日記や手帳って、、、のぞいちゃいけないもの、書いている本人だけのものという感じがあるじゃない?それを書籍化しちゃうって。そして、それを読むわたしって。
みてはいけないものを見てしまうドキドキとちょっとした罪悪感なんかがね。

こんな話の流れで教えていただいたのが、茨木のり子さんの『歳月』。今度読んでみよう。

ありがとうございました。
本当に伺えて幸せでした。
また遊びに行きます!!

ひとやすみ書店さんでの幸せな時間に包まれながら、めがね橋付近の街を散策。

すると「ブック船長」という看板が目に入る。
本屋さんを発見!迷うことなく店内に入ると、そこには長崎に関した本がずらり。
その中で目に入ったのが、魚譜。
様々な魚譜がOPPに入れられてカゴにどさっと入れられていた。
蚤の市でポストカードやポスターを漁る感じ。
博物画好きなわたしとしてはたまらない。

一体これは何なのかと尋ねたら、『グラバー図譜』をバラして販売しているそうな。

グラバー図譜とはですね。
長崎でゲットしたチラシから引用いたします↓

長崎ではじまった、もうひとつの産業革命。
〜倉場富三郎とグラバー図譜〜

世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」に登録された旧グラバー住宅。その主人である
トーマス・B・グラバーを父に持つ倉場富三郎は、日本で初めて蒸気トロール船によるトロール漁業を
導入しました。この新式の漁業は、それまでに海に恵まれながら磯漁中心だった長崎の漁業を一新するなど、20世紀日本の水産業に革命を起こしました。現在の水産のまち長崎の礎を築いたのは富三郎と行っても過言ではないでしょう。

また、富三郎は長崎の港に水揚げされるさまざまな魚を見て、魚類図譜の編纂を思い立ったといわれています。富三郎は自ら魚市場などを回り、集めた魚類や甲殻類など長崎在住の5人の日本画家に精密な図譜として描かせました。明治末期から昭和初期にかけて約20年の歳月をかけて描かれた図譜は総数801枚にも及びます。

完成した図譜は「グラバー図譜」と呼ばれ、博物学としてはもちろん、その精密な描写と色彩は
非常に美しく、美術的にも価値が高い内容となっています。

おもしろいなあ。本をばらして、絵として販売をする。ふむ。
200種類あるらしいけど、欲しい柄があったら、版元から取り寄せてくれるんだって。

どれにしよーーーってずっと悩んでたら椅子を勧めてくださった。
笑顔がステキな女性2人がお店を切り盛りされていました。
すみませんねえ。じっくりゆっくり選んで決めたのが、フグとタコ。

お部屋に飾るの?
額装するとキレイよ。

ーてへ。

人気な絵柄はす入荷してもすぐ売り切れちゃうの。
良い旅を。

2軒続けてステキな本屋さんに出会えた。
嬉しいなあ。

そこから長崎駅に向かい、稲佐山のロープウェイ乗り場までのシャトルバスに乗り込む。
夜景の時間に合わせて夜19−22は無料でシャトルバスが出ているの。無料だけど、事前予約が必要よ。注意してね。長崎駅含め、何箇所のホテルを回ってくれるので、便利ね。

ロープウェイ乗り場は淵神社という神社。
乗車券を購入する際に目に飛び込んできたのが「ながさきジーン」150円。
最新号の特集は「教会とお寺のあるまち」。買うよね。

それがこれである。

郵送もしてるみたい。興味ある方はぜひぜひ。内容充実していて面白かったよ。

ジーン片手にロープウェイに乗り込む。
周りはインバウンドの方とカップルばかり。うふ。
ひとり、窓辺を陣取り、バーを握る。
少し空いている窓から夜の匂いがしてきた。

このロープウェイは奥山清行さんの設計なんだって。
ぐんぐん上昇するロープウェイ。
下を見下ろすと、山道に怪しく光るオレンジの電灯が点在している。
木々の間からかすかに見える車道を車が通り抜ける。
リンチが好きそうな景色だと妄想してみる。

目線をあげると、長崎の夜景が広がっていた。
美しい。
夜景と化している、光1つ1つに生活があると思うと、これまた感慨深い。
あ、みなさん。ちなみみ、長崎の夜景は世界新三大夜景に認定されているのですよ。

ロープウェイを降り、展望台に向かう。
夜風がきもちいい。
また背伸びしてみる。
ちょっと深呼吸してみる。
目を閉じてみる。

長崎の夜景を堪能した後は、ホテルの近くで1杯飲んだ。
パクチーサラダと白レバーを注文。

お姉さん、くせもの好きね。僕もそうだから、メニューが偏ってるんだ。

店内にはご主人の本やレコードなんかのコレクションがずらりと並べられていて、モニターには「傷だらけの天使」が流れていた。YMO好きとのことでご主人との話は楽しかった!。

明日も早いので帰らなくちゃ。

湯船にゆっくり浸かってひとやすみ、ひとやすみ。

それにしても今回のブログの文体はバラバラで笑。
行った先々での気分をそのまま表したということでご勘弁を。

〈今回お世話になったみなさま〉
ひとやすみ書店さん
本を愛するみなさまへ。
https://twitter.com/hitotter16?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

ブック船長さん
長崎に特化した本屋さん。長崎のいま昔、様々な本に出会えるお店。
イベントも開催しているようなので、要チェックー。
せっかく旅する場所だから、本を読んで学んで見ては?
https://www.facebook.com/captainbook1/

※ながさき旅ネットでの紹介
http://tomocchi.nagasaki-tabinet.com/post-8197/

大衆酒場 あっぱれやさん
常連さんも多かったなあ。ご主人が地元の人に愛されている。
カウンターもあるからわたしみたいな、一人のみでも気兼ねなく楽しめます!
https://appareya.owst.jp/