四国へ、島へ。③漁師の宿と抽象画と砂浜と

四国へ、島へ。③漁師の宿と抽象画と砂浜と

2016年8月7日(日)続々

今回お世話になる宿は

民宿 さくら」さん。

男木島内にはいくつか宿があるんだけど、漁師の宿って紹介されてて、ここに決めた。

場所がよくわからなかったので、男木島の案内所で訪ねてみる。
この案内所も瀬戸芸によって誕生した作品。

作者はジャウメ・プレンサさん(スペイン)。
タイトルは《男木島の魂》

すっかり馴染んで、街の寄り合い所みたいになってる。

ジャウメ・プレンサさんの作品で、私にとって身近なのはコレ↓

2009年に新潟市内で開催された《水と土の芸術祭》にて制作されたもの。
実家の近くに設置された作品で(今でも未だあるのかな?)、ここを散歩したりジョギングするたびに、
見ていた作品。作品のコンセプトうんぬんってより、この木を抱えて体育座りしている姿に哀愁があって
なんだか好き。わたしも小学生時代、よくここでこんな感じで学校さぼってたからなあw
親近感なのかしらw信濃川眺めながら、体育座りで、何するわけでもなく。

宿まではそう遠くないらしい。
島唯一の学校の近く。
歩いて5分ほどとのこと。

道中懐かしい景色が眼に飛び込んでくる。
墓地を通り過ぎ、暑さにだれてる猫たち。

男木島の学校は、前回の芸術祭の時は休校中で、昭和40年会のみなさまが、作品制作&発表の場として使っていたところ。

その後、島に子どもたちが戻ってきて、学校は復活。現在は保育園~中学生で計8人が通っているらしい。
子どもが戻ってきてくれるって嬉しいね。

夏休みだし、観光客も混ざっているとは思うけど、島には子どもが元気に走り回ってた。
そんな光景は、やはり夏をかき混ぜ、加速させる。

学校を少し過ぎたところに、みえてきました「民宿 さくら」の看板です。
ガラガラっと引き戸をあけると、ごはんのとっても良い香りがすでにただよってた。
時刻は15:00。
食欲ががんがんそそられます。

女将さんが部屋まで案内してくれました。
母屋の客室派満室とのことで、私たちの部屋は満室の離れの3階に泊まることに。
どうやら、この建物はさくらさんが借りているらしく、1階&2階は大家さんが住んでるんだって。
こちらのお家も、夏休みでちびっ子が帰ってきているみたいでドタドタキャーキャーにぎやか。

お部屋は、オーシャンビュー
かつ
ちくび島ビュー!!!

窓を開けるととってもいい海風が入ってくる。

「この部屋を自由に使ってください。ただ1つ、お願いが。誰かが、エアコンのリモコンを持って帰っちゃったみたいで、お隣の部屋と1個のリモコンを共有して使ってもらわなくちゃなので、使ったら、廊下のこのカゴの中に戻してください」とのこと。

リモコンの定位置、まさかの廊下w

部屋はテーブル、ふとん、コート掛け、ゴミ箱、蚊取り以上!というシンプルなたたみのお部屋。
テレビない。さいこー。

隣の部屋とはふすま1枚隔たってるだけ。
声筒抜け。

ってか、部屋の入り口も障子戸。
鍵なんて無い。
金庫も無い。

性善説!

荷物を置いたところで、いざ、男木島散策へ!

まずは、昭和40年会の皆さんの作品を見に行く。
前回はさっき言った、休校中の学校を使っての作品だったけど、学校が再開したがゆえに、今回は別会場で。
旧旅館らしい。

今回は、芸術祭のパスポートを買ってないから、都度払い。
だいたい300円。

ビニール製のいい感じのスリッパを履いて、急な階段をのぼって2階へ。

1歩1歩ぎしぎしゆー。
この建物のガラスが、とっても私の好み。たまゆら系。

部屋を奥へ奥へと進んで行くと、会田さんが公開制作中だった(正確にいえば、部屋の隅でお休みになっていたといおうか)。

私たちがいることに気づくと「さあて、そろそろやりますかあ」と制作を再開してくれた。
優しい。うれしいねえ。

制作していたのは、その時、ミヅマアートギャラリーで開催していた個展会田誠展「はかないことを夢もうではないか、そうして、事物のうつくしい愚かしさについて思いめぐらそうではないか。」でも展示されていたのお弁当箱を使ったシリーズ。

抽象画である。

ミヅマでの個展を見た時、ああ、、、これすきーーーーってなった作品なので、制作しているところを拝見できてとってもウレシ!!

ここでteshが気づく。
「え、これって練り込んであるんじゃなくて、塗ってるんですか!?」
「そうです、塗ってるのです。今回のはちょっとおおざっぱですが、ミヅマで展示しているやつは、もっと細い筆を使って、裏まで塗ってたんですよ。
今回は、弁当箱とウレタンの色を近くしたので、塗り残しやムラとかあってもokってなるようにしてます」
と会田さん(一字一句あってるわけやないのであしからず)。

よく見ると、会田さんの手に握られているのはたぶん面相筆。それくらいほそーーいやつ。今回は大雑把とかおしゃってたけど。ちょーこまかっ!
平筆とかで、もっとべったーーーと塗れば早いのにと思ってしまうけど、実際に塗っているところをみせてもらうと、繊細な色の調整、ムラ、グラデーションなどなどとっても細かい仕事なのです。で、teshが気づいたみたいに、ミヅマで見た時は、粘土にいろんな色を練り込んであるようにかと思わせるくらいの綺麗さだった。驚嘆。

結構な時間、見入ってしまった。既に床にはウレタンが貼付けてある弁当箱がズラリ。色が塗られている箇所をみると、なんだか法則がありそうなので聞いてみると、位置ははじめに確定させているとのこと。ほほーー。正直、てきとーーーにみえるんだけど、ち、違うのですね!!やっぱすきだわあ。

あまり長居してもお邪魔になってしまうので、失礼することに。会田さん、ありがとうございました!

作品を見ることができるのは16:15まで!残り時間は30分くらい。
まだ、後1つくらい見れそうなので、アキノリウムに行くことに。

いざっ。